こうべ市福祉振興協会「神戸市シルバーカレッジ」を取材しました。

こうべ市福祉振興協会「神戸市シルバーカレッジ」

取材者の印象
 神戸市シルバーカレッジは、神戸市北部の「しあわせの村」の一角にあります。南欧風の建物が素敵で、ここに通うだけで非日常感が得られテンションがあがりそうです。充実したカリキュラムを組んでいますが、「学んで終わり」では決してなく、3年の在籍期間を経た卒業生たちの地域活動が社会に広まっています。

《取材日》   2018年9月26日
《主催団体》 公益財団法人 こうべ市福祉振興協会(神戸市北区 http://www.kobe-sc.org/
《事業名》   神戸市シルバーカレッジ

《受講者数(直近)》 1学年約440人
《実施講座数》 年1回 各学期170

《事業目的》 高齢者の豊かな経験を活かして自らの可能性を拓き、その成果を社会に還元することをめざして学びあう、生涯学習の場として設立された。

《主な対象 及び 概要》 専用の施設と事務局を有している。「健康福祉」「国際交流・協力」「生活環境」「総合芸術」など,関心ごとにコースがあり,1学年約440人が受講している。授業は週に2回。3年間在籍し,3年時には数人でグループをつくり卒業研究をして論文にまとめてもらっている。

 一期生には入学試験があったが,それ以降はない。そのため様々な人が入ることができる。神戸市在住の人なら,57歳から入学できる。以前は入学者の年齢はだいたい65歳前後だったが,修了者の再入学を認めるようになって70歳近くになった。

 授業は週に2回だが,クラブ活動に3~4つ入っている人もいる。カレッジに在籍せずにクラブ活動にだけに入ることはできない。クラブ数は10ある(取材時)。

 会員のうち,何か地域で活動している人が約1,000人になる。学生たちの必須課題として地域でのボランティア活動の実践がある。グループ活動が発展し,西区あさひ保育園に市民共同発電所を開設した。同発電所の運営組織は創エネ神戸というNPOを立ち上げた。また,フードドライブや古本のリユース・リサイクルなどに取り組む「もったいない活動」が生まれるなど,地域リーダー的な人が育っている。地域での実践ボランティア活動の効果を試算した。人数×時間×神戸市域の最低賃金で計算すると,約1憶7,700万円になり,運営に要する費用を上回った。

 また学生たちの仲間づくりや生きがい創出,卒業後の地域活動やこれらによる健康寿命の延長など,簡単に数値化できない効果も大きいと考えている。

《成果》

・参加者の自発性は生まれていますか。
 グループ活動が地域活動に発展し地域リーダー的な人が育っている。

・参加者に協調性は生まれていますか。
 コミュニケーション能力を高めることは必要だが,そのための確立されたプログラムはない。

・活動スキルの習得はどうでしょうか
 プログラムの中に,学生たちに全市58地域に分散して入り,必須課題としてボランティア活動をしてもらっている。取り組み内容等は,学生支援リーダー(元小学校の校長が多い)が地域の人たちと相談して要望をくみ上げて決めている。おもに小学校からの要望が多い。

・参加された方の活動は継続していますか。
 グループ活動が発展し地域活動に発展している。NPOを立ち上げたメンバーもいる。また,フードドライブや古本のリユース・リサイクルなどに取り組む「もったいない活動」が生まれている。

・体系的な学びを意識したカリキュラムになっていますか。
 グループ活動が発展し地域活動に発展している。NPOを立ち上げたメンバーもいる。また,フードドライブや古本のリユース・リサイクルなどに取り組む「もったいない活動」が生まれている。

・新たな人材発掘は
グループ活動が地域活動に発展し地域リーダー的な人が育っている。
会員のうち,何か地域で活動している人が約1,000人

・地域への広がり
 現在, 既存の大学と連携できないか模索している。大学の公開講座とのリンクなどを進めていきたい。

・その他。
 良質な学習の場を提供するとともに,学生間の仲間づくりも目的の一つ。神戸市シルバーカレッジには専用施設がある。一般的な貸会議室では味わえない非日常感がある。

学生たちが必須課題として地域で実践しているボランティア活動の効果を試算した。人数×時間×神戸市域の最低賃金で計算すると,約1憶7,700万円になり,運営に要する費用(1憶5000万円)を上回った。