報告その2 青果物売り場のプラ包装前編

青果物売り場の7~8割がプラ包装

「お店のプラスチック調査」は、調査の結果報告その1に記載した目的や対象、日程、手順で実施しました。今回は結果報告のうち、青果物売り場のプラ包装について報告します。

調べる対象にした青果物

日常よく使い、通年入荷する10種の野菜(だいこん、にんじん、かぼちゃ、じゃがいも、トマト、たまねぎ、きゅうり、なす、ねぎ、キャベツ)を対象に、プラスチック包装の状況を調べました。

調べ方と調査票への書き方

青果物売場で野菜品種ごとに、商品点数と商品棚に占めるはだか売り商品の割合を調べました。
調査票には図1の「調べ方・書き方」を付けました。

例として載せた写真は、ある店のトマトの商品棚です。商品棚にトマトが何品目あるか、数えてもらいます。品種・産地・包装形態や袋の内容量が違えば、別商品としてカウントしてもらいます。例の写真の場合は7品のトマトが売られています。そのうち、はだか売りが何点で、食品トレイに乗せてラップがけしたトレイが何点か勘定して、それぞれの数字を調査票に記入してもらいました(図1の右下)。

商品棚に、はだか売り商品が占める割合も記載してもらいました。下の図1の写真の場合、⑤のトマトがはだか売りで、トマトの商品棚の約3分の1を占めていると思われます。調査票に記された5段階の面積のうち、左から2番目の「10%から39%」に✓を入れてもらいました(図1の左下)。
大きな店の場合、青果売場内で分散して置かれている場合もありますが、それも加味して面積を考えてもらいました。


図1 調査票に付けた「調べ方・書き方」

青果物売り場の調査票は、以下の図2です。
調査票への記載に際して、複数で調査に行った場合は、必ず複数で確認し合意のうえ、記入してもらいました。


図2 青果物売り場の調査票

調べた結果 商品点数と商品棚面積比

62店を調べた結果をまとめたものが、以下の図3です。

図3 青果物売り場の調査結果

この調査から、商品点数でみた場合、62店で確認した2,342点のうち、はだか売りされていた商品は413点で、比率として17.9%という結果が出ました。

売り場の棚面積比では、はだか売りが「なし~10%まで」がほぼ半分の48%を占めました。調査店62店の平均は、以下の方法で求めました。


図4 はだか売り棚面積平均値の求め方

上の図4のように、「割合(A)」と、5段階の面積(赤枠)の中間値(青枠)を掛け合わせました((A)×(B))。その数字を足して、25.7%と試算しました。

野菜の包装に使われている素材は、ほとんどがプラスチックですので、逆の表現をすると、青果物売り場の7~8割がプラスチック包装されているということになります。

この数字は大きいのか、こんなもの、なのか、日本の青果物売り場だけを見ていてもわからないですね。次回、海外と比べてみることにします。