報告その3 青果物売り場のプラ包装後編

前回のおさらい

2022年11月、京都市内のスーパー62店を対象に、「お店のプラスチック調査」を実施し、青果物売り場のはだか売り比率として、商品棚に占める割合25.7%商品点数比率17.6%だったことをお伝えしました。つまり、逆の見方をすると、青果物の7~8割がプラ包装されて販売されていることをお伝えしました。

一方、比較対象がなければ、このプラ包装の割合が多いのか少ないのかわかりません。そこでフランスから入ってきたニュースの情報と比較したいと思います。

フランスから入ってきたニュース

2022年1月、「フランスで主な野菜・果物のプラ包装禁止処置が施行された」というニュースが入ってきました。2019年に制定された「循環経済法」72条の一部が施行されたものですが、1.5kg未満で未加工の31種の野菜・果物を対象としています。この処置の施行に際し、フランス政府から、「現在フランスの野菜・果物の37%が包装されて販売されている」といったコメントが出されました。

「37%」がどこまで正確かわかりませんが、仮にこの数字が正しいとすると、「63%は無包装」と考えることができます。はだか売りが2割前後の日本の状況と随分と違います。
もちろん、フランスと日本では気候や食料自給率(産地からの距離)が違うので、同じことはできません。でも、あまりにも違いすぎます。フランスのように「プラ包装禁止」まで考えなくても、この差を見ると、ある程度は減らす必要があるのではないかと思えます。

スーパーチェーンによって、プラ包装はずい分違う

また、どのスーパーマーケットチェーンも同じようにプラ包装削減に取り組んでいるなら、今以上に減らすことは難しいのかもしれません。でも実際には、プラ包装の多寡(多い・少ない)はチェーンよって大きく異なります。

下の図は、横軸が商品棚に占める割合で、縦軸は商品点数比率をあらわしています。右上にいくほど、はだか売りが多く、左下ほどプラ包装が多いことを示します。真ん中やや右上の赤丸は全店平均で、右横の( )内の数字は調査店舗数をあらわしています。各チェーン名は色付きの帯で隠しています。色はそのチェーンの年間売上高で規模で分けています。黄色は1,000億円以上で全国的な大手チェーンです。以下、水色、赤、青と小規模になります。右横の( )内の数字は、そのチェーンの調査店舗数で、その平均の数値を色付き帯の下の( )内に記しています。

良い事例を地域の他のスーパーに広めたい

これを見てもらうと、スーパーチェーンによってプラ包装の程度が大きく違うことがわかります。また、この調査からは事業規模とプラ包装の間に、明確な関係は見えませんでした。ということは、プラ包装を減らそうと工夫しているスーパーの取組を、他のスーハ―に広めることで、規模の大小に関係なく、今よりもっとプラ包装を減らすことができるのではないか、と思いました。

好事例は、青果物売り場だけでなく、他の売場でも多く見つかりました。また、プラ包装削減だけでなく、省エネ事例も数多く見つかりました。次回はそれらを紹介します。・好事例