報告その6 健康配慮商品の取扱いや訴求

今回は健康配慮商品について

2022年11月に京都市内で実施したスーパー環境調査「お店のプラスチック」の結果を報告しています。その1で、調査の概要、その2その3で、青果物売り場のプラ包装の調査結果、その4で、青果物売り場以外の調査結果、その5で省エネ事例をお伝えしました。今回は調査で見つけた健康配慮商品の取扱いや訴求の工夫などを報告します。

健康に配慮した商品の開発や扱いでは、京都生協や無店舗販売のエルコープ、自然食品店などが長く取り組んでいますが、ここでは一般スーパーマーケットの取組で今回の調査で見つけた事例を紹介します。
(以下は、2023年3月1日「好事例報告会」の資料から)。

デイリーカナートイズミヤ伏見店の健康を考えた食品コーナー

デイリーカナートイズミヤ伏見店(伏見区)の健康を考えた食品コーナーは、目を引きました。かつて「アレルギー対応コーナー」を設けるスーパーが幾店かありましたが、同店では、アレルギー対応だけでなく、介護食、低糖質、腸活、温活、健活など、棚ごとに多様なニーズに応えるようになっていて、この売場がお客さんにとって、「こんな機能をもった食品があるんだ」と発見の場になっているように感じました。

 

ライフのBIO-RAL

ライフのBIO-RALは、「オーガニック」、「ローカル」、「ヘルシー」、「サステナビリティ」をコンセプトに、健康や自然志向に合わせた商品を展開し、約200アイテムを扱っています(2022年10月現在)。BIO-RALという統一ブランドで、すべての店舗に写真のようなコーナーを設置しています。
ライフの店舗調査に、ながく消費者運動に携わった人に同行してもらいました。店の近くにお住まいでしたが、今回の調査参加で初めてライフの店を訪れたとのことで、「この取組を初めて知った。がんばっているやね」と申されていました。
こういった「調査参加者の発見」も、市民調査のだいご味だと思います。ふだん行く機会の少ない店の良い取組を知る機会にもつながると思います。

詳しくはこちらをご覧ください。http://www.lifecorp.jp/store/bio-ral/

食は愛 パントリー

今回の調査で訪ねた、パントリー京都北山店(北区)の取組も紹介します(中京区東洞院通の八百一本店内にも出店しています)。「食は愛(おいしいはうれしい)」のコンセプトのもと、自社工場を設け化学的な添加物を使わない自社商品開発に取り組んでいます。食品添加物を使わない食品づくりのためには、素材の吟味が必要です。同社のウェブサイト(下記参照)には、いくつかのエピソードが紹介されています。

化学的な添加物の少ない食品を扱うスーパーマーケットは他にもありますが、自社工場まで持っているスーパーはきわめて珍しいので紹介いたします。

 

詳しくはこちらをご覧ください。https://www.pantry-lucky.jp/pantry_lucky/concept.html

安心・新鮮・こだわりの食材を提供 ヘルプ

健康を考えた食材・食品を重点的に扱うスーパーの中で、京都における老舗的な存在です(阪急洛北スクエア内と長岡京市内にも店舗があります)。

野菜・果物は「特別栽培農産物」のみを扱い、鮮魚・水産加工品は、国産・天然物を中心に扱い、精肉・精肉加工品では、不必要な抗生剤・ホルモン剤の不使用や、飼料原料は出来る限り非遺伝子組換え原料を使用されたものを扱うなど明確な方針を持って商品・食材の品ぞろえに取り組んでいます。

詳しくはこちらをご覧ください。https://www.wakkakka.com/about/

まだまだ多くの取組があるのですが…

この他にも、文頭に書きましたように、京都生協をはじめ、今回の調査対象(市内に複数店舗展開)としなかった店舗・チェーンの中にも熱心な取組があるのですが、取り上げることができませんでした。チェーン本社ご担当者様の中には御不満もあるかもしれません。お詫び申し上げます。

一方、今回の調査で多くの店舗を訪ねて、「店長こだわりの…」や「シェフが厳選した…」といった漠然とした商品表記を続けている店舗・チェーンも見かけました。どのような基準をもって商品を「厳選した」のか明確な表示を行うべきではないかと思いました。

以上です。
次回は、2023年3月1日午後、京都市内で開催した「スーパーマーケット環境調査で、市民が見つけた好事例報告会」について報告します。