テーマは「減らそうシングルユースプラスチック」
「川ごみ・地域清掃活動」「こども向け環境教育」「文化関連イベント」などアプローチが違う3つの方向から,それらの活動やイベント等の実践者や対象者に,いかに2Rの発想や行動を普及することができるかを課題に,以下の内容で開催しました。
開催日時:2020年2月16日(日)10時から16時15分
会 場:登録会館大ホール(中京区烏丸御池上る)
タイトル:2Rカレッジ試行講座~減らそうシングルユースプラスチック~
対 象:自身で活動を実践している人,これから始めようと思っている人
定 員:20人程度(参加費無料,先着順)
2Rカレッジの内容
午前中は原田禎夫2R型エコタウン構築事業部会委員(大阪商業大学准教授)による基調講演と京都市ごみ減からの報告により,海洋プラスチック問題や川ごみ,私たちの暮らしとの関係について,情報提供を行いました。
午後から「川ごみ・地域清掃の実践,その成果をどう活かす(WS.1)」「こども向け環境教育,つかみの引き出し(WS.2)」「茶と文化と絡めたWS「おいしいお茶の淹れ方講習」(WS.3)」の3つのワークショップを開催し(大ホールを3分割する),受講者それぞれが関心のあるワークショップに参加してもらいました。申込時にあらかじめ参加者から、希望するワークショップと参加動機を尋ね,個人情報以外は各ワークショップの講師,ファシリテーターと共有しました)。
ワークショップ終了後,全体で集まり「まとめ」を行い,ワークショップ間の情報共有及び成果共有を行いました。
下は参加呼びかけチラシです。
ワークショップ・まとめの報告,参加者の反応
ワークショップでは,各参加者の自己紹介の後,ワークショップの実演を通じて,2R人材の養成に向け,また,次年度の2Rカレッジでどのような要素が必要か,対象や開催時期,内容や時間等,参加者と一緒に考えました。
講師やファシリテーターには,事前にワークショップの報告用に押さえるべき5つのポイント(講師の話から見えてきたこと,行き詰った活動と成功する活動との違い,活動をブレークスルーするためのポイント,分野ごとの望ましい状態,望ましい状態にならない阻害要因,阻害要因をなくすための解決手法)を共有しました。通常の講座より参加者の反応を見てもらう時間を多めにとり,講師からはその取り組みの背景,注意事項,工夫したこと等含めノウハウ的な要素も話していただきました。
〇WS.1 川ごみ,地域清掃の実践,その成果をどう活かす!
実際に実施した川ごみ清掃を事例に,動機や多くの人との問題意識の共有,人集め,実施に向けた準備,基本的手順,安全対策,集めたごみの処分方法と発信手法,情報発信の際に大事にしていること,同じような活動団体との協力・ネットワーク構築等について伝えていただきました。
単にごみ拾いや清掃をして終わりではなく,ごみを分析して情報発信や社会提言をされていること,環境教育として企業を巻き込んだ活動をされていること等,参加者が自身の活動に展望を持ってもらうこと,提供された情報をもとに自分ならどうするかを考えてもらうことに重きを置いて進行してもらいました。
人集めであれば,どのような工夫や配慮が有効か等,参加者それぞれの事情を出し合い,自身の活動にどのように活かすか考えてもらうようなミニワークショップを途中ではさみながら進行してもらいました。
〇WS.2 こども向け環境共育,「つかみ」の引き出し
Earth Palのこども向けプログラムを実演してもらい,対象年齢に合わせた工夫や配慮事項,準備や広報の工夫,こどもたちに向き合ったときのつかみのポイント,実施後の改善の手順等を,WS.1と同様に,進行のなかでミニワークショップを途中で何度かはさみながら明らかにしてもらいました。
子どもを対象にするとき,大事にしていること,対象年齢・学年にあわせた内容の検討,学校で学ぶこととの関連や差別化,声の出し方,見せ方・伝え方等の工夫点や留意点,安全やぐずった時の対処方法,実施や広報にあたり,どのような機関等と連携すればいいか等を話しました。具体的には,Earth Palでは絵を使ってわかりやすく伝えているが,絵が描けない人には,ウェブのフリー素材の活用や既存の資料の活用やわかりやすい本や紙芝居等も現物を見せて伝えてもらいました。
〇WS.3 茶,文化をからめたWS「おいしいお茶の淹れ方」
「茶」と「文化」を取り上げたごみ減量啓発については,午前に報告した京都市ごみ減の活動や情報も参考にしてもらい,「おいしいお茶の淹れ方講習」を実演してもらいました。
どのような場で,どのような催しをするか,そのため,どのようなスタッフが必要か,準備に何が必要か,どのように人を集め,どのように進めるか、参加者には、自身が主催者となった場合を想定して考えてもらいました。仮に「お茶の淹れ方講習」であれば,そこにどのように2Rの要素を盛り込むか,限られた時間で,何をどのように伝えるかについても,考えてもらいました。
〇まとめの会
WS終了後は,全体で再結集して,それぞれの成果確認をした。各WSに京都市ごみ減スタッフが入り,参加者の反応,運営・進行面で気づいたこと,参加者が「2R人材」となるのに必要なこと等の記録をまとめた(別紙5)。
〇参加者の反応
・基本的には,ファシリテーターが全員に話をしてもらえるように,発言が少ない人には名指しでどうですかと声掛けをしていた(WS.1)。
・プログラムの内容は座学と工作,体を動かすゲーム等織り交ぜて大人でも飽きずに楽しみながら学べる構成だったので,全員夢中で参加していた印象だった(WS.2)。
・参加者それぞれのお茶の楽しみ方がある。初めて知った情報もあり,人に楽しんでもらいながらペットボトルを減らすことができるという声があった(WS.3)。
アンケート結果
事前の案内チラシにおいても,「今回は試行版,どのような情報,どのような伝え方,時間配分やその他,何が必要か,実際に実施して,参加者からも意見を頂戴します。次年度以降の本格実施に向けて,一緒に作っていきましょう。」と呼びかけ,事前に参加動機や期待することを尋ね,講師やファシリテーターに共有した。講座終了後にはアンケートを実施し,回収数は21人(回収率91.3%)であった(別紙7)。その結果を以下にまとめる。
【講座を何で知りましたか】
「講座を何で知ったか」についてて,チラシを見たが3件(京エコロジーセンター,エコまちステーション,京都市ごみ減),ホームページが4件(京都市ごみ減2件,EICネット2件),メーリングリストが5件(京都市ごみ減,であいもん広場,エコプラザ通信,不明2件),フェイスブックが2件,知人・講師の紹介が6件(京都大学田中周平准教授・京都市ごみ減・堀,環境市民・消費から持続可能な社会をつくる市民ネットワーク,川ごみネットワーク河野さん,1月26日に京エコロジーで開催された「プラスチック問題」で紹介が1件ずつ,不明2件)でした。
【参加の目的は何ですか】
「参加の目的」に対して,プラスチックごみの現状や2Rについての学び,新しい知識を得たかったことが複数意見として挙げられました。実際に団体で予定しているごみ拾いの調査や回収の手法を知りたいが2件,子ども向け環境学習の実践手法や伝え方,マイクロプラスチック研究会の活動のヒントを得るため,日本茶インストラクターとして2Rの視点を入れたい,地域のごみ減量化推進審議会の市民委員として提案するアイディア等,具体的な目的意識を持った参加者が多くありました。
【目的の達成度はどのくらいですか】
「参加の目的は,どのていど達成できましたか」に対しては,50%,80%,90%と数値で書かれた方や,役にたった,十分に達成できたが5名,あまり達成できていないが1名であった。参加者はすでに活動実践者で,WSで自分の課題を出し合い,それに互いがアドバイスする時間がとても有益だったという意見などがありました。
【実施時期・時間の希望】
「実施時期・時間の希望を具体的にお書きください」では,休日や土日(週末)の希望が6件と最も多くありました。一方で対象者が絞られているなら,その方に合わせたら良いや,いつでも,特になしも数件ありました。具体的な時期が,新年度の前で2~3月,6月頃から,9~11月と1件ずつありました。
【テーマや取得したいこと】
「取り上げてほしいテーマはどんなことか,どのようなことを修得したいか」では,2Rについて,海ごみ・プラごみ,マイクロプラスチックの生態系への影響,アウトドア活動によるごみ,災害ごみ,ごみを出さない具体的な工夫,ごみ減量に成功した事例,子供向けのプログラム集,体験ができるもの,フードロス対策,行政側のアプローチ,外国のより高い取り組み紹介,エコ=おしゃれという意識づけができるようなテーマ,3Rヒーロー,Reduceの取り組み,SDGsを含めた持続可能な社会等,約半数は無回答でした。WS3のお茶+2Rように,+2Rの成功例を集めた分科会や発表(他の活動に2Rをプラスすると発想転換や課題解決につながった)も活動が広がると思うという意見もありました。
【その他意見】
自由記述では,2R+1R「Remain(とどまる,残る)」を入れて,New3Rとして活動を広げていってはどうか,色々なものの合理的な廃棄の仕方を「もっぺん」みたいなDBサイトにまとめて欲しい,イベントの給茶コーナーでマイボトルに一回50円で入れることができる,地元産のお茶や水が飲めるコーナーをつくる等,行動につなげるという意見もありました。
以上