報告その5 スーパー調査で見つけた省エネ事例

今回は省エネ事例を報告します

2022年11月に京都市内で実施したスーパー環境調査「お店のプラスチック」の結果を報告しています。その1で、調査の概要、その2その3で、青果物売り場のプラ包装の調査結果、その4で、青果物以外の調査結果をお伝えしました。今回は調査で見つけた省エネ事例を報告しています。
(以下は、2023年3月1日「好事例報告会」の資料から)。

調査で見つけた好事例 省エネ事例

今回の調査で調査項目としてあげていませんでしたが、省エネの取組についても、特徴ある取組が見つかりました。
あくまで店頭で確認できた取組として、「照明の消灯事例」、「冷凍・冷蔵ケースの冷気漏れ対策」、「再生可能エネルギーの導入」を取り上げます。
(各写真はクリックすると拡大します。)

照明の消灯事例

冷蔵(日配商品や飲料)ショーケースの消灯

経産省の節電要請を受け、多くのスーパーが、冷蔵ショーケースの節電に取り組んでいます。
中でも飲料売場での消灯の取組をよく見かけます。最上段のみ点灯し、2段目以下の棚照明を消している事例は多いのですが、下の写真の例は、最上段も含め、全段の棚照明を消灯しています。ダイエー桂南店、ライフ各店、フレスコ各店などで実施していました。

天井照明の一部消灯

イズミヤ白梅町店、ダイエー桂南店では、天井照明の一部消灯を実施していました。

より効果が高いオーバーキャノピー照明

冷蔵棚の明るさを確保し、十分な省エネを実現する方法として、オーバーキャノピー照明があります。

「最上段のみの照明」と似ていますが、より外側に照明器具を張り出させ、外から冷蔵ショーケースを照らす方法です。

オーバーキャノピー照明は、京都府内では、イオン高の原店で導入されていますが、今回の調査で、京都市内のスーパーマーケットでの導入事例は見つけることができませんでした。

オーバーキャノピー照明の節電効果について、東北電力のサイトに報告があります。

https://www.tohoku-epco.co.jp/ryokin_app/hojin/pdf/b35.pdf

九州電力のサイトには説明図が掲載されています。

https://www.kyuden.co.jp/library/pdf/company/eco_item/62item.pdf

冷凍・冷蔵ケースの冷気漏れ対策

扉付き冷凍ショーケース(リーチインショーケース)

下の写真のような扉付きショーケースをリーチインショーケースと呼びます。冷凍ショーケースでは、近年多くのスーパーマーケットで導入されるようになり、庫内の照明もLEDが採用されるなど、省エネ化が進んでいます。

アイランド型冷凍ショーケースの扉

一方、アイランド型(平面)冷凍ショーケースの多くが開放型(上が開いている)です。「冷気は循環するので、外に漏れない」と言われていますが、実際には多少でも冷気が漏れていると思われます。

今回の調査で、デイリーカナートイズミヤ伏見店、ダイエー桂南店、フレンドマート(平和堂)梅津店の他、今回の調査対象店ではありませんが、イオンモール桂川店、デイリーカナートイズミヤ桂坂店で、扉付きのアイランド型冷凍ショーケースを見つけることができました。

扉付き冷蔵ショーケース

今回のスーパー調査で、唯一、西友各店で扉付きの冷蔵ショーケース(リーチインショーケース)を見つけることができました。三条店では「電気代削減」を強調したポップが掲示されていましたが、当然エネルギー削減にもつながります。特に西友山科店の設置台数は多く、「壮観」と思えるほどです。
(株)西友本社に問い合わせたところ、「外気温等の条件により幅はあるのですが、扉の有無によりケースあたり概ね20%以上の省エネ効果がある事が分かっています。」という返答をもらいました。

冷蔵ショーケースの冷気漏れ抑制のショートカーテン

西友桂店の冷蔵ショーケースは、飲料以外、従来の開放型を使用していましたが、上端の冷気吹き出し口の外側に20cm程度の透明のプラスチック製ショートカーテンを設置し、冷気漏れの抑制対策を採っていました。機材の入れ替えや更新には多くの費用が必要ですが、こういった費用を抑えた省エネ対策に取り組んでいる店舗があることがわかりました。
(株)西友から、このショートカーテンの情報をもらいました。「ショーケース用節電カーテンの節電効果のメーカー公表値は「3-6%」ですが、実際の店舗環境では商品の出し入れや空調、出入口等からの気流の影響も出ますので、カタログ値程の効果は出ないようです。 ただ、それでも多少の効果はあるという評価のもと一部店舗で導入しております。」とのことでした。

カーテンは両面テープで取り付け可能です。大きな手間をかけないうえ、お客さんの買い物の邪魔にもなりません。お客さんに企業姿勢を示すアピールになると思います。

再生可能エネルギーの導入

再生可能エネルギー100%電気の利用

生鮮館なかむらでは、一部の店舗を除き、再生可能エネルギーにより発電した電気を100%利用しています。写真はそのことをお知らせしているのぼり。

ソーラーパネルの設置

デイリーカナートイズミヤ堀川丸太町店の屋上には、ソーラーパネルが設置されています。発電容量は3.46kWです。