食品ロス学習用、パワポ講話シリーズ

京都市ごみ減量推進会議提供 食品ロス学習用、パワポ講話シリーズ
食品ロスについてパワーポイントのスライドを用いて語ります。
タイトルまたは図をクリックしてもらうと、Youtube動画(パワポ語り)に移動します。


第一回 「身近にところからみる食品ロス」

◆「食品ロス」の基礎知識?
◆身近なところから「食品ロス」を見てみよう。
◆もっと驚きの食品ごみって何?

第一回は「身近なところすらみる食品ロス」、基本的な話だけでなく、食品ロスの中でも「もっと驚きの食品ごみ」の紹介をいたします。 クイズも入れています。(21分間)

 

第二回「食と環境について、ちょっとお勉強」


この回の内容
■食と環境について、ちょっとお勉強
■先進国は工業製品を売り、途上国から  農産物を買えばいいの?
■いつまで食料の大量輸入ができるの

食品ロスを出し続けることは、「もったいない」だけでなく、もっとおそろしい問題もはらんでいます。食べられるのな捨てている食品ロスは、早くなくさないと……。(約9分)

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5.世界視野で「食品ロス」をみると

・「5.世界視野で「食品ロス」をみると」のメニューは以下の通りです。食品ロスの削減は、日本のみならず世界の課題です。ところが定義が国によって違う場合がありますのでご注意ください。 ・世界で発生している食品ロスは13憶トン … 続きを読む

4. どんな食べ物を捨てているか

・このサイトでは、私たちが普段の暮らしで利用し、捨てている食べ物がどのようなものか紹介しています。メニューは以下の通りです。 (記事の執筆は2021年ですが、基本的な状況は大きく変化していません) 4.1 世界中から輸入 … 続きを読む

3.食品ロスを身近に感じる伝え方

ここでは、膨大な食品ロスの発生量をどのように実感してもらうことができるか、身近に感じる伝え方の例をいくつか紹介しています。関心のあるところ、気になる記事からご覧ください。(各スライドはクリックしてもらうと拡大します。)

3.1 食品ロスの発生量
3.2 食品ロスの量をどのように実感してもらうか
・552万トンを食料に関わるさまざまな数字や過去のデータと比べると
3.3 ロスした食品のエネルギーで何ができる
・人が歩くエネルギーと比べたら
・自転車をこぐエネルギーと比べたら
・自動車を走らせたら
・家電製品を動かすと

3.1 食品ロスの発生量

あらためておさらいです。1.食品ロスの基礎知識で紹介したように、「食品ロス」とは、食べられるのに捨てられてしまう食品のこと。食品ロスの年間発生量は、2020年度の推計で522万トン。うち家庭からの発生量は247万トンになります。

3.2 食品ロスの量をどのように実感してもらうか

「食品ロスの発生量552万トン」と言われても、それがどれぼど大きな量なのか、なかなか実感できません。まずは、食料に関わるさまざまな数字や過去のデータと比べてみましょう。

最初に取り上げるのは、国際連合世界食糧計画(WFP)の食糧支援量です。2018年実績で420万トンですから、世界で行われている食糧支援量より、はるかに多い食品ロスを日本1国で出しているわけです。

次の例は、日本の米生産量。2022年産の米が727万トン。ほぼそれに匹敵する量です。2021年産の漁業生産量(441万トン)も記しています。とてつもなく多くの食品ロスを出していることがわかります。

データの根拠は以下の通りです。

食品ロスを、1人あたり1日どれだけ出しているでしょうか。家庭からの発生分、247万トンを1人あたり1日に換算すると、61グラムです。1人ひとりが出す量は少なくても、チリも積もれば大きな山になります。逆に考えると「これぐらいの量なら、十分減らすことができるんじゃないか」とも思えます。

ここ数年の発生量を見ると、2020年度の522万トンは最も少ない量です。ただし、まだまだ多くの食品ロスが発生しています。

3.3 ロスした食品のエネルギーで何ができる

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2.食品ロスと環境問題

食品ロスと環境問題

「2.食品ロスと環境問題」のメニューは、以下の通りです。関心のあるところ、気になる記事からご覧ください。

2.1 食品ロスが出ることで、何が問題なの?
2.2 食べ物と環境問題のつながり
2.3 ごみの処理費もばかにならない
2.4 家庭ごみ中の食品ごみをもっと深くみると

2.1 食品ロスが出ることで、何が問題なの?

資源・労力・エネルギーの無駄があげられます。
食品ロスの発生量は、「1.2食品ロスってどれだけ出ているの」で紹介している通り、令和2(2020)年度推計で522万トンになります。このうち、家庭からの発生量は、284万トンと推計されています※。
ただ、廃棄量を示す数字だけ魅せられても、なかなか実感できません。量の多さを実感してもらうのに、どのような例え方があるか、次のカテゴリー「3.食品ロスを身近に感じる伝え方」で幾つかの例を紹介しています。

ごみの処理費もばかになりません。食品ロス分の処理費だけではありませんが、家庭ごみなど、市町村が扱う一般ごみ全体の処理費用を、この後の「2.3ごみの処理費もばかにならない」で紹介しています。

また、食べ物を作るのに多くの資源やエネルギーも必要です。特に日本の場合、食料自給率が低く、かつ遠くの国・地域から多くの食料を輸入しています。食べ物ごみと資源やエネルギーとの関係については「4. どんな食べ物を捨てているか」で紹介しています。

日本のように大量の食料を輸入している国にとって、食品ロスを含む大量の食品ごみを出すことは、地球規模での資源配分の不公平さといった問題も生み出します。どのような影響があるか、「5.世界視野で食品ロスをみると」で紹介しています。

さらには、災害や気候変動、国際紛争、世界的な感染症の流行などもあり、今後も安定的な食料生産や輸入が続けられるという保証はありません。食料安全保障という観点からも、食べられるのに捨てている食品ロスをいつまでも出し続けることはできません。

※農林水産省WEBサイトより 令和2(2020)年度推計

2.2 食べ物と環境問題のつながり

食べ物と環境問題とのつながりについてみることにしましょう。
多くの資源やエネルギーを使って成り立っている私たちの暮らしは、食べ物に限らず、様々な面で世界の環境問題とつながりがあります。

一方、私たちが暮らしの場でできる環境行動は多くあります。私たちは、世界で発生している様々な環境問題を改善していく力になることもできます。

様々な環境問題は、それぞれが全く独立したものではなく、深い関係があります。「食べ物」を中心に据えて他の問題との関係を見ると、どの問題とも深く関わっていることがわかります。中心を「エネルギー」や「ごみ」に入れ替えても同じです。
食品ロスの削減に限らず、どの時期に、どのような食べ物を、どのように選択するか、日常できる行動の中で、環境改善の行動ができるわけです。

エネルギーを中心に据えても…

中心をごみに入れ替えても…

2.3 ごみの処理費もばかにならない

食品ロス分だけの処理費ではありませんが、家庭ごみなど、市町村が扱う一般ごみ全体の処理費用は、日本全体で年間どれぐらいになるでしょうか。
三択で答えをお示ししますので考えてみてください。

1. 約5,000憶円 2. 約1兆円 3. 約2兆円
(3枚後ろのスライドに答えを載せていますが、それを見ずに、まず考えてください)。

答えは3番の約2兆円です。1人当たり費用にすると約1万7,000円。4人家族であれば年間約6万8,000円のごみ処理費を負担している計算になります※。

国家予算と比べるのは適当ではありませんが、2020年度の社会福祉予算が約4.8兆円。防衛関連予算が約5兆円。これらは国民の関心が高い予算項目ですが、その4割前後をごみ処理に使っているわけです。いかに大きな金額かおわかりいただけると思います。
(家庭ごみの約40%が食品ごみ(湿重量比)です。ただし、ごみ処理費の40%が食品ごみの処理費用というわけではありません。近年、全国の市町村全体のごみ処理は減っていますが、処理費用の総額は、2013年以降、増加傾向にあります。2012年度の1兆7,885億円と比べて7年で19%増えています)

※環境省「一般廃棄物処理事業実態調査」より。データは2020年度(2022年3月29日公開)
https://www.env.go.jp/recycle/waste_tech/ippan/r2/data/env_press.pdf 2023.4.4確認

2.4 家庭ごみ中の食品ごみをもっと深くみると(京都市の例から)

「2.3ごみの処理費もばかにならない」でも紹介しましたが、、市町村が市民(住民)から収集しているごみのうち、約40%は食品ごみ(厨芥ごみ)です。そのうち、3分の2が「水」であることに注目してください。「水キリ」だけでも、ずい分と「ごみ」を減らすことができます。

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1.食品ロスの基礎知識

食品ロスの基礎知識

このサイトでは、基本的な情報を掲載しています。以下の記事を掲載していますので、関心のあるところ、役立ちそうなところからご覧ください。
(それぞれの図は、クリックすると拡大します)

1.1 食品ロスって何?
1.2 食品ロスって、どれだけ出ているの
1.3 どんなものが、食品ロスになっているの
1.4 食品ロスはいつ頃から大きく注目されるようになったの?
1.5 食品ごみ、食品ロスに関係する法律

1.1 食品ロスって何?

食品ロス」とは、食べられるのに捨てられる食品のこと。ただし、国・地域によって、定義が違います。
少し難しい表現ですが、「食品残渣」という言葉があります。こちらは、食べられないものも含みます。他、食品廃棄物、食品由来廃棄物など、食べ物のごみを表現する言葉はいくつもありますが、このサイトでは「食品ごみ」と表現します。
食品ロスは、家庭も含めて、外食産業、食品加工業、農水産業など発生源は様々です。

クリックしてもらうと拡大します。以下同じ

1.2 食品ロスってどれだけ出ているの

食品ごみの発生量は、令和2(2020)年度推計で2,372 万トン。うち食品ロスは522万トンと推計されています。
さらに内訳を見ていくと、家庭からの食品ごみ発生量は748万トン。うち食品ロスは、247万トンと推計されています。
(農林水産省WEBサイトより 令和2(2020)年度推計)

さて、この食品ごみや、食品ロスは、ここ数年、増えているのでしょうか。減っているのでしょうか。

多くの人や団体の理解や行動で、食品ごみ(全体)も食品ロスも、ここ数年着実に減っています。ただし、食品ごみ全体で2,300万トン以上排出されていて、食品ロスだけでも500万トン以上になります。まだまだたくさんの食品ごみや食品ロスが、日本国内の各所で発生しています。

1.3 どんなものが食品ロスになっているの?

政府公報オンライン「もったいない!食べられるのに捨てている 食品ロスを減らそう(http://www.gov-online.go.jp/useful/article/201303/4.html)」に、生産から消費まで、各段階でどのようなところから食品ロスが発生しているか、紹介されています。

その中で、レストランなどの飲食店の場合、お客さんの食べ残しや、お客さんに提供できなかった仕込み済の食材などが、食品ロスの例としてあげられています。

食品ロスとなっているもの

外食では、個人・家族単位で注文する「食堂・レストラン」より、宴会、披露宴の方が食べ残しが多くなっています。このことは、多くの人が実感してらっしゃると思いますが、こうやってデータで見ると、3~4倍多いことがわかります。

外食・宴会の場合

外食でも宴会の場合、特に、野菜や穀類の食べ残しが多く発生しています。さすがに肉類は少ないようです。主催者側のもてなし意識には、「食べきれないほど出さないと失礼」という思いもあるかもしれません。こういった思いは変革が必要でしょう。参加者の人数はもちろん、年齢構成などから調整を行いましょう。もし食べ残しが出た場合の持ち帰りバック(ドギーバッグ)も、食品ロス削減に有効です。
京都市では、食品ロス削減のため、特に忘年会、新年会シーズンに「30・10運動」を推奨しています。「1.乾杯後30分間は,席を立たずに料理を楽しみ,2.終了前10分間は,自分の席に戻って再度料理を楽しむ」を実践する取組です。

外食・宴会の場合

家庭からはどのようなものが食品ロスになっているでしょうか。

家庭から出る「食品ロス」には、おもに以下の3種があります。調理の際に食べられる部分を捨てている「過剰除去」、「食べ残し」、冷蔵庫などに入れたまま期限を超えるなどして捨てられる「直接廃棄」があります。

それぞれどのような食べ物が、食品ロスになっているのでしょうか。
(農水省「食品循環資源の再生利用など実態調査・食品ロス統計調査報告」より 単位:%)

クリックしてもらうと拡大します

上の表の一部を拡大したのが下の表です。
家庭(世帯)からの排出を見ると、「過剰除去」は、いもくだものきのこ野菜が上位の常連で、「全体」の順位にほぼそのまま反映しています。「直接廃棄」の順位は、年度によって変わりますが、加工品が目立ちます。冷凍品まで捨てられています。

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