このサイトでは、私たちが普段の暮らしで利用し、捨てている食べ物がどのようなものか紹介しています。メニューは以下の通りです。
4.1 世界中から輸入した食べ物を捨てている。
・日本の食料自給率の低さ
・穀物に限るともっと厳しい
4.2 遠くから運んできた食べ物を捨てている。
・フードマイレージという考え
・どこから輸入しているか
・ヴァーチャルウォーター
4.3 たくさんのエネルギーを使って作った食べ物を捨てている。
・季節はずれの農作物の利用
おまけ 旬の食材、地場産品を使うことの省エネ効果
・旬の食材利用の省エネ効果
・地場産品利用の省エネ効果
・地球さんの好きなメニュー(和食はエコロジー)
・肉食の環境負荷
・旬の食材カレンダー
(それぞれの図はクリックすると拡大します)
4.1世界中から輸入した食べ物を捨てている。
日本の食料自給率の低さは、よく知られています。その背景には食生活の欧米化をはじめ様々な要因がありますが、最も大きな要因は、農業の軽視ではないでしょうか。
食料自給率の低さは、先進工業国共通と思っている人もあると思います。しかしながら、先進工業国で、かつ日本と同様、広い国土を有していない国でも、食料自給率の維持に努めている国は多くあります。1960年頃、日本の食料自給率(カロリーベース)は80%程度ありましたが、60年の間に半分以下に落ちました。
食料の中でも、穀物だけに限ると、自給率の厳しさがよりはっきりします。中には、輸出産業として穀物生産を保護している国もありますが、食料安全保障の観点から穀物生産を維持している国もあります。日本より穀物自給率の低い国もありますが、その多くは自然条件の厳しい国です。
4.2遠くから運んできた食べ物を捨てている。
食料輸入量の多い日本は、「遠くから運んでいる」という特徴もあります。島国であることなど地理的な条件もありますが、経済のグローバル化により、距離に関係なく、安く生産できる国から輸入してきた結果でもあります。
そのことで、幾つかの問題も起きています。長距離輸送のために大量の燃料を使用します。そのことでCO2の大量排出が起きます。
さらには、食料輸出国での資源枯渇。特に農産物の場合、栽培過程で大量の水が使用されます。農産物の輸入には「見えない水(ヴァーチャル・ウォーター)」の使用が伴います。食料輸出国の中には水資源の枯渇や地下水位の低下が起きている地域もあります。すぐ隣国で起きているなら、気づく機会もありそうですが、遠くの国の出来事だけに、なかなか気づくことができません。
フードマイレージという考え
食料の輸送による環境負荷を、輸入食品の重量に移送距離を掛け合わせて、考える指標があります。フードマイレージという考えで、単位はトンkmであらわします。
以下のグラフを見ていただくと、総量でも、1人当たりでも、日本のフードマイレージが世界でも特に多いことがわかります。
中田哲也「食料の総輸入量・距離(フード・マイレージ)とその負荷に関する考察」農林水産政策研究,2003より
上のグラフは2001年の統計をもとにしていますが、以降、日本のフードマイレージは増えたのでしょうか、減ったのでしょうか。