ハイムーン漫画から学ぶ環境問題1 「3Rの順位」

【ハイムーン先生の環境漫画の説明】

カテゴリー「ハイムーン漫画から学ぶ環境問題」の第1話は「3Rの順位」。
1コマ漫画で環境問題の啓発をしている環境漫画家ハイムーン先生の漫画を使わせてもらい、ごみ減事務局堀が作ったグラフと合わせて、漫画の背景にある様々な問題や情報を紹介していきます。

シリーズの最初の漫画は「3Rの順位」から

古紙をはじめ、空き容器などのリサイクルが社会に根付きました。資源ごとに分別することでリサイクルしやすくなり、再び製品原料として活用できます。
たしかにリサイクルは大切なことですが、もっと大切なことがあることをこの漫画が示しています。自分は使わなくなっても、必要な人に使ってもらうリユース。そもそもごみを出さない、作らないリデュース。この3つのRは並列関係ではなく、優先順位があることを表彰台の高さで表現しています。
しかし実際には、リサイクルばかり盛んになり、リユースやリデュースが社会の隅の方に押しやられています。

【グラフの説明と背景情報】

環境省発行の平成28年度「環境白書(正式名称は、環境・循環、生物多様性白書)」に刺激的な表(次ページ)が掲載されていました。環境省と内閣府が実施した「環境問題に関する世論調査」をまとめたもので、平成19年度から平成27年度まで(2007〜2015年)の8年間(平成24年は未実施)のアンケート結果が示されています。グラフはその結果を図示したものです。

上記の調査によると、「ごみ問題に関心がある」と答えた人は、平成19(2007)年度の85.9%から、平成27(2015)年度の70.3%へと8年間で15%減っています。意識や関心だけでなく、「ごみの問題は深刻だと思いながらも、多くのものを買い、多くのものを捨てている」は、同期間、7.0%から12.7%へと増加。「環境にやさしい製品の購入を全く心掛けていない」は、11.0%から15.6%に増加するなど、環境問題全般 への意識の低下だけでなく、行動の後退が感じられます。

環境意識や行動は後退している

しかし、「3Rという言葉を知っている」と答えた人は、同じ期間、22.1%から35.8%へと向上しています。3,000人を対象にした無作為抽出アンケートですので、環境教育を受けた世代が、各年度どの程度含まれているかわかりませんが、「知識は高まっているが、意識や行動は後退している」様子がこの調査結果からわかります。