2022年のプラごみはどこへ?

2022年のプラごみ輸出上位の国。地域

2018年初頭からの中国の廃プラ等の原則禁輸以降、日本から海外に輸出される廃プラは、量こそ減りましたが、行き先を変えて、おもに途上国に輸出されています。
もともと最大の輸出先だった中国は、プラスチックごみの海洋流出が世界で最も多いと指摘されていた国)ですが、今の輸出先上位に位置するマレーシア、ベトナム、タイ、インドネシアなどの国々も、プラごみ海洋流出の多い国といわれています。

なお、プラごみの中には、生産ロスなど材質が明らかで工業原料として価値の高いものもあり、先進工業国・地域に輸出されているものもあります。
注) Jenna R. Jambeckらの調査による
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上のグラフのデータ出典:総務省 普通貿易統計 全国分品別国別表より品目コード3915を抽出
https://www.customs.go.jp/toukei/info/tsdl.htm   2023.4.11確認
作図 堀 孝弘(京都市ごみ減量推進会議)

行き先は結局、プラごみ海洋流出の多い国・地域

少し時代は遡りますが、アメリカのジェナ・ジャンベックという研究者と彼女のグループが、2015年に「プラごみ海洋流出の多い国・地域」の調査結果を公開しています(調査年は2010年)。これを見ると、日本からの直近のプラごみ輸出上位国・地域と、プラごみ海洋流出の多い国はかなり重なっています。
日本が輸出したプラごみが、現地でそのまま海洋流出しているわけではありませんが、使用済みプラスチックを適切に回収・管理できない国に、多くの廃プラを輸出していることで現地でどのようなことが起きているか、思いを馳せる必要もあると思います。

上の表の出典
Jenna R. Jambeckらの調査による2010年における推定。数値は推定される最大値。
Plastic waste inputs from land into the ocean Science2015
Science  13 Feb 2015:Vol. 347, Issue 6223, pp. 768-771
https://science.sciencemag.org/content/347/6223/768.full  2016.5.22