お茶といえば、PET茶…?

お茶といえば、PET茶ばかりになった

(図をクリックしてもらうと拡大します)

他の記事と重複しますが、PETボトルの原料のPET樹脂の利用で、圧倒的に多いのが清涼飲料容器としての利用(PETボトルの用途はほとんどが清涼飲料容器)ことと、清涼飲料の中で、特に増加が著しいのがミネラルウォーター類と緑茶飲料だということをお伝えしました(清涼飲料で消費が伸びているのは)。

中には「PETボトル緑茶にも、茶葉が使われているなら、茶農家の収入になっているのではないか」と言う人もいます。PETボトル緑茶が売れるほど、茶農家も潤うのでしょうか。
今回のグラフは、茶葉の生産量(ほぼ消費を反映)と緑茶飲料(液体のお茶、麦茶などは含みません)の消費量を同じグラフにまとめました。両者の単位は違いますが、傾向ははっきりとわかります。2004年以降、茶葉の生産は落ち込み、緑茶飲料との差は大きく開いています。つまりPETボトル緑茶が売れるようになっても、日本国内の茶農家さん全体で見れば、厳しい状況であることがこのグラフからわかります。

PETボトル緑茶が売れ始めた頃「今まで捨てていた茶が売れるようになり、助かっている」という声が、一部の茶農家さんの声として聞こえましたが、安い茶葉が売れるようになった一方、丹精込めた茶葉が売れにくくなり、経営的に維持が厳しくなった茶農家さんが増えているのではないかと思います。PETボトル緑茶ばかりが売れることは、茶農家に良い状況ではないと思います。

データ出典:茶葉(荒茶)の生産量は、農水省 令和元年産作物統計(普通作物・飼料作物・工芸農作物)より。
茶葉の輸出入量は、財務省貿易統計 農林水産物輸出入統計より。
緑茶飲料は、清涼飲料水関係統計資料各年度版「(一般社団法人)全国清涼飲料連合会」より

作図 堀 孝弘(京都市ごみ減量推進会議)